アルゼンチンの医療史上最大のワクチン接種作戦 新型コロナウィルスCOVID感染症予防ワクチン接種プランが展開されます
ラエ世界に向けてアルゼンチン日本語番組 キャスターの植田敬子です。 新型コロナウィールスの世界的感染 パンデミックで色々大変ですが 皆さま お元気ですか? ホームメード ラエ 第40弾お伝えします。 アルゼンチンでは3月19日より外出禁止令が出され、現在に至っています。 外出禁止となってから、必要最小限な買い物だけが許されていました。 医療や食料品販売・製造、出前サービス、廃棄物回収など緊急時に最小限必要とされるサービスが国を支えて、毎日の生活が可能になっていました。現在では大分緩和されています。 私達ラエのスタッフも全員在宅ワークとなっており、アルゼンチンでのコロナ禍について、ラエのウェブサイト www.rae.com.arに掲載されています。そして特別番組やトピックニュースもウェブサイトで更新しています。 4月6日より新しい放送スケジュールとなり、短波放送日本語番組は 月曜日から金曜日 UTC時間8時から9時まで 周波数5950KHz 出力 100キロワット、北米西部、及びアジアへ向けて マイアミの オキチョビの送信機より 放送となっています。ラエ短波放送のスケジュールもウェブサイトでチェックできます。 ユーチューブYOUTUBEでもラエのチャンネルが開設され、コンテンツがアップロードされます。Canal RAE Argentina と検索バーに入力してください。 […]
アルゼンチンではサッカーは通常の情熱を超えるパッションを呼び起こすことは皆様もう御存知かと思います。大衆音楽は先日亡くなったディエゴ・アルマンド・マラドーナさんに数多くの曲を捧げました。 現世の神様として崇められていたマラドーナさんは最高峰を極めると同時に地獄の底を這いずり回り、ある意味でアルゼンチンの現状を体現しているといえましょう:矛盾に溢れ、傲慢で、ときに英雄的でそして愛国心、一国に属するということを全身で訴え続けた人生でした。サッカーの神様という点だけ、反対派も賛成派も一つに纏まりました。 ディエゴ・アルマンド・マラドーナさんに捧げられた全ての曲から今日ご紹介するのは、次の3曲です: 1. 私のハートに喜びを (アーティスト:フィト・パエス)アルゼンチンがサッカー・ワールドカップ2度目の優勝をきめた1986年のメキシコ大会で、対イングランド戦でマラドーナさんが放った2点目のゴール・シュートの美しさを讃えて作られた別名・アルゼンチンサッカー讃歌と言われています。当時アルゼンチンは物価急上昇・ハイパーインフレの状況から抜け出そうともがいていた時で、たったその1年前、70年代から80年代初頭まで続いていた軍事政権下犯された人類虐殺犯罪の裁判が行われたばかりでした。 2. マラドーナ (アーティスト:アンドレス・カラマロ)アルゼンチンロックを代表するアーティストのカラマロさんは世界のサッカースーパースター、ディエゴ・アルマンド・マラドーナさんの素晴らしさを歌った曲です。”マラドーナは只者ではない”( “Maradona no es una persona cualquiera….” )という一節に要約されます。 3. 神様のハンド (アーティスト:ロドリーゴ)アルゼンチン中央部に位置するコルドバ州独自のミュージックジャンル、クアルテトのリズムで、マラドーナ自身が一番自分に合っているといった曲です。彼の生い立ちを語る曲で、2006年でテレビで放送された、マラドーナさんの番組 “背番号10の夜” (La Noche del Diez)で自身がマイクを握り熱唱した曲です。 制作:シルバーナ・アベジャネ ー フリアン・コルテス
1人のサンタ・フェ州の典型的な白人の容貌をした男(グリンゴ)が、アルゼンチン・パタゴニア地域での移民、先住民族や現地人の農民達の労働状況の向上のため立ち上がった農民一揆に光をあてました。アルゼンチンの首都・ブエノスアイレス市より、遠く南に2.200キロ離れたパタゴニア地域の一角、現在のサンタ・}クルス州で 外国人の大地主に対し、ほぼ奴隷制度に置かれていた農民達は労働状況の向上を求め、抗議し、その結果、1.500人もの農民たちが射殺された事件です。 アルゼンチンのジャーナリストで歴史研究家のオスバルド・バイェール氏(1927年−2018年)はその生涯の大半をこの虐殺事件解明のための調査に捧げました。その全貌を表したのが バイェール氏渾身の著作 “悲劇のパタゴニアの復讐者”で、後に“パタゴニアの反乱”として映画化されました。アルゼンチン映画の歴史上アイコンとして、今でも語り継がれています。 大地主による搾取に反旗を翻す出来事として最初、始まりました。1920年末より、反対運動は高まり始め、1921年、当時の急進党のイポリト・イリゴージェン大統領により送り込まれたエクトル・ベニグノ・バレーラ中尉が指揮を採った銃殺刑が施行され、農民虐殺で終焉を迎えます。 20世紀におけるアルゼンチン国家が犯した最初の犯罪の1つとされています。この事件に関して、様々な調査、様々な報告がなされてきましたが、当時のイリゴージェン政権や大地主の責任については寛容な視線が注がれていました。 この事件解明のため調査に奮闘したバイェール氏はTripleAというペロニズム右派の武装組織より脅迫などの迫害をうけ、身の危険を感じたバイェール氏は家族とともにドイツに亡命します。1976年の軍事クーデター前のことでした。 パタゴニアの反乱より100周年を迎え、アルゼンチンの海外向け放送局、ラエ、世界に向けてアルゼンチンは、アルゼンチンだけではなく、欧州の国々をも巻き込む 数多くの農民が犠牲となった銃殺事件の原点となるこの史実について、慰霊と事実解明の意味を込めて、語り合う、懇談会を開催します。 12月1日(火)アルゼンチン時間午前11時、UTC時間14時より、ユーチューブの Canal de Youtube Rae-Argentina al Mundoで以下のゲストを招いて懇談会を行います。(敬称略)誰でも無料で参加できます。 ・アナ・マリーア・カレガ − 心理学者、ラテンアメリカ圏人権問題識者 ・ディアナ・レントン − 人類学者、人類虐殺・先住民族政策研究ネットワーク創設者、著作“アルゼンチンの惨殺の歴史”バイェール氏と共著 ・ベイヌス・スムックレル −人権問題専門弁護士、アルゼンチン法曹委員会元メンバー、米州法曹協会代表、マルティネスデオス一族がバイェール氏に対して訴訟を起こした際の被告人バイェール氏側弁護士 ・カルロス・コベロ − サンタ・クルス州 ストライク事件風化防止委員会、及びパタゴニア・ストライク事件委員会創設者・識者 ・ブルーノ・ナポリ −歴史研究家、バイェール氏創設・機関紙ラチスパ(エスケル市で1958年から59年まで刊行)収集家 ・エステーバン・バイェール − ジャーナリスト、ドイツ・ハンブルグ在住の作家 Conversatorio “Osvaldo Bayer y la dignidad […]
サッカー界のスーパースター、ディエゴ・アルマンド・マラドーナさん療養先のブエノスアイレス州のノルデルタ高級住宅街の一角で 亡くなりました。去る10月30日60歳の誕生日を迎えたばかりでした。 11月3日硬膜下血腫の手術を受け、手術自体は大成功で、術後は良好でした 今日、朝食をとった後、気分が悪いとベッドに戻り、体調は急激に悪化し、アルゼンチン時間正午(UTC時間15時)療養先の邸宅に、救急車数台が到着し、心肺蘇生が試みられますが、何もなすすべはなく、マラドーナさんはこの世を去りました。 硬膜下血腫で手術をうけ、術後は良好、順調に回復していると報道が行われていたので、逝去のニュースは青天の霹靂でした。 マラドーナさんはそのサッカースタイルの美しさとリーダーシップでピッチ上から世代を超えて世界中を魅惑しました。 私生活も激しく、沢山の物議を醸しだしました。マラドーナさん大好き派・アンチマラドーナ派、無関心ではいられない、何をしても注目を浴びていました。世界で最も有名なアルゼンチン人と言われています。 マラドーナさん逝去のニュースをうけ、アルベルト・フェルナンデス大統領は 全国3日間の服喪期間を発表しました。期間中半旗掲揚となります。
アルゼンチン人ギタリスト ホアン・ファルさんが立ち上げた 世界ギターフェスティバルが11月22日まで開かれます。 ラエ世界に向けてアルゼンチンは ホアン・ファルさんと懇談し、世界で蔓延する新型コロナウィルスにより、本年度のギターフェスティバルには海外よりの20人、そして国内の72人のギタリスト達がオンラインで参加すると語って下さいました。アルゼンチンのすべての州よりエントリーがあり、フェスティバルのショーと全ての曲目はアルゼンチン文化省のYoutubeとFacebookのサイトで観覧が可能になります。 アルゼンチン文化省のウェブサイト www.cultura.gob.arで世界ギターフェスティバルについての情報にいつでもアクセスが可能になっています。 日本語訳・ナレーション:植田敬子 制作・ウェブサイト:フリアン・コルテス
ブエノスアイレス州に位置するラプラタ国立大学の研究者グループは、10年前より科学をポピュラーにするため、生徒と教員を対象にする 包括的仕様の教材を制作しています。コロナ禍で対面式授業が中断され、オンライン方式の授業に移行されたことが大きなキッカケとなりました。 タイトルは“グリプトドンとスミロドンの足跡を追いながら”で、ラ・パンパ州で発見された化石についての字幕入りのドキュメンタリー、3Dプリント、点字の物語やガイドアナウンスで構成されています。 誰でも無料でラプラタ国立大学のウェブサイト www.caminando.unlp.edu.arから、そして同大学の Facebook や Instagramのアカウントからも観覧、及び ダウンロードできます。 ドキュメンタリー“グリプトドンとスミロドンの足跡を追いながら”には様々な言語の字幕がつけられ、そして手話入りバージョンも近く発表される予定です。 また幼児・思春期の児童を対象にする書籍 “グリプトドンとスミロドンの足跡を追いながら:地球上の生命の進化を理解するため”では様々進化のセオリーを解りやすく説明し、グループでできる学びを深めるエクササイズが紹介されています。 物語“グリプトドンとスミロドンの足跡を追いながら。アメリカ大陸が1つになった時”は点字または音声読み上げ機能付きの絵本で、ラプラタ国立大学出版物としては初の点字書籍となります。 そしてラ・パンパ州で発見されたグリプトドン、マストドン、スミロドン、メガテリウム、フォルスラコス、トクソドンなどの化石の早見カードや3Dプリントの触覚教材も準備されています。
マルビーナス諸島戦争で戦ったアルゼンチン人兵士、フリオ・アロさんは今週ノーベル平和賞候補の1人としてその名前が発表されました。その際、アロさんは “ (ノーベル平和賞は)1人の母親が失ったと思った息子を深く抱きしめ、キスで埋め尽くした時にもうもらったのと同じだ”とコメントを出しました。 アロさんと同時にもう1人候補として名前を発表されたのは、同じくマルビーナス諸島戦争で、英国軍の兵士として戦ったジョフリー・カルドソさんです。英国籍のカルドソさんは、マルビーナス諸島のダーウィン墓地に埋葬されていた身元不詳の遺体の身元確認作業に従事した功績が高く評価され今回のノーベル平和賞候補となりました。ノミネートのニュースを受け取った際、カルドソさんは “(アロさんと)2人で候補に挙がったことは大変な栄誉で、誇らしいことだ。嬉しくて、雲に上にいるような気持ちだ” とコメントしました。 アルゼンチン人のアロさんは、終戦後、マルビーナス諸島を訪問し、ダーウィン墓地で埋葬されていた遺体の約半数が “神のみぞ知るアルゼンチン人兵士”という墓標のもと埋葬されていたことに衝撃を受け、身元不詳の遺体の身元確認を進め、遺族と繋げて行く作業を開始しました。 そのため、英国軍の復員軍人グループと連絡を取り合い、アルゼンチン人兵士の遺体を見つけ、無事に保管し、身元確認にために決め手となった情報を提供したカルドソさんと知り合いました。そして未だに行われている遺体の身元確認作業遂行のため、“No me olvides”(忘れないで)基金が創立されました。 現時点で戦場で死傷した115人の兵士の遺体の身元確認が、国際赤十字とアルゼンチン検死会の共同作業により行われ判明しています。アロさんは“何時でも必要に応じ、対応してくれた皆さんに心の底より感謝している”と述べています。 マルビーナス諸島戦争は1982年勃発しました。当時軍事政権下にあったアルゼンチと、19世紀半ばよりマルビーナス諸島を違法占領していた英国との間に生じた軍事衝突でした。権力の座に居座り続けるため、軍事政権が採った最終手段が英国との軍事紛争でした。アルゼンチンの普段の市民の生活を一変に破壊へと導いた戦争でした。その1年後軍事政権は選挙を行い、1983年の10月、民主主義政権・ラウル・アルフォンシン大統領政権が発足しました。
カルラ・ビソッティ アルゼンチン保健アクセス庁長官は新型コロナウィルス感染予防のため、ロシアが開発するワクチン・スプートニクVを購入すると発表したアルベルト・フェルナンデス大統領の発言に関し、第3フェーズの試験段階が完了する前からアルゼンチンは世界諸国と同様に、ワクチンの供給需要に対応するためワクチン購入契約を取り付けていると述べました。アルゼンチン国内でのワクチン接種は無料で、高齢者や持病持ちなどの感染のリスクが高いグループの人々を対象に行われます。 ビソッティ長官は “ロシアの第1・第2フェーズの情報管理は完璧で、中東呼吸器症候群MERSやエボラ熱病の予防ワクチン開発経験もあり、そのためのプラットフォームも健全で、信用するに値すると決断され、医療に従事する人々や教育機関関係者などより接種志願者を集い、そのための登録を行うことが予定される” と語りました。 またビソッティ長官は、ロシアだけではなく、他のラボラトリーよりのワクチン提供のオファーはあったが、1番の違いはロシアは年末までに大量のワクチン・ドーズ供給を確約したことで、アルゼンチン側としても安定したワクチン接種プランを立てることが可能になるという点が最優先されたと指摘しました。 またアルベルト・フェルナンデス大統領は、どこの国が製造したワクチンかということは重要ではなく、“コロナ禍終息へ向けて近づいた”ということが大切だと語りました。 フェルナンデス大統領は、中央政府は “ワクチンは何のイデオロギーを崇拝しているのかということは考えず、命を救うか否か、その点だけを重要視する。冷戦はもう終わったということを知らない人がまだいるようだ。必要ない議論を醸し出すだけだ。”と強調しました。 日本語訳・ナレーション:植田敬子 制作:シルバーナ・アベジャネーダ ウェブサイト:フリアン・コルテス