ホモフォビア(同性愛嫌悪)より逃れて

難民アルゼンチン委員会によると2010年1月から2020年6月までの間に116人の人々が性的マイノリティーであることで、自国では安全と自由が保障されないとの理由でアルゼンチンに難民承認要請手続きを行いました。 申請手続きを行った人々の約40%が国際法に基づき難民と認定されました。ロシア国籍とジャマイカ国籍保有の人々でした。 世界の77の国と地域で同性愛は犯罪とみなされ、12の国と地域では有罪となると、死刑が言い渡されると国際レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランス・インターセックス協会(ILGA)は発表しています。 難民アルゼンチン委員会によると、性的マイノリティーとして自国で迫害を受けている人々は、レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランス(LGBT)コミュニティーの権利擁護及び推進の点で世界の最先端を行くアルゼンチンを、難民申請の場として選んでいるとし、またアルゼンチンは世界でも外国籍の人々にも同性愛者同士の婚姻を認めている数少ない国の1つでもあります。 しかしアルゼンチンでは性的マイノリティーという理由ではなく、海外よりの移民、またはアフリカ系移民という理由で路上で罵らる、または差別を受けると注意を促しています。

入院患者の権利擁護の試金石となるか

アルゼンチン最南端の州、ティエラ・デル・フエゴ州裁判所は新型コロナウィルス感染症で入院している1人の女性患者に見舞い客を許すか否かが争われた裁判で、“現在入院している集中治療室から一般病棟に移された後、見舞客を容認する” との判決が出されました。 この女性患者は新型コロナウィルス感染症の重症患者で、集中治療室に入室しており、配偶者の見舞いが許可されていません。入院して治療を受けている新型コロナウィルス感染症患者に対する人道的配慮に基づく、ケアを受ける権利が世界でも注目されています。 9月30日より入院しており、配偶者は “人道的配慮に基づく新型コロナウィルス感染症医療ケア・プロトコール”を制定するティエラ・デル・フエゴ州令第1323条例と同様の権利を擁護する、アルベルト・フェルナンデス大統領による大統領法令第792-20条例を盾に、入院中の患者との面会を求め訴えを起こしました。 現在は面会は叶いませんが、毎日電話通話は許されており、一般病棟へと移った後には配偶者との面会も実現することになります。  

アルゼンチン保安省と国内で活動する様々な国際人道的救援団体は、アルゼンチン人道支援ネットワーク(RHI)を結成しました。緊急事態や自然災害などの事態に、連携して迅速な対応を取ることが目的とされます。 このネットワークは “緊急事態に迅速な対応を取るため、国連、世界赤十字社、赤新月社とアルゼンチン赤十字社で構成される” と発表されました。 アルゼンチン教会慈善事業会、アドベンチスト開発・救援エージェンシー(ADRA)、民衆の発展国際委員会(CISP), 世界の医師団などのNGOも参加しています。 アルゼンチンのサビーナ・フレデリック保安大臣は “世界全体が緊急事態で、世界が1つになる必要性にここまで駆られることはなかった” と指摘しました。 そしてコロナ禍危機の中、“国連は緊急事態の救援、市民の安全と健康を中心に据えて、大変重要な役割を果たしている” と語りました。    

コロナ禍で運行が中止されていた路線

アルゼンチンのナショナル・キャリア、アルゼンチン航空は11月からスペイン・マドリッド、アメリカ・マイアミ、ブラジル・サンパウロ、チリ・サンティアゴ、ボリビア・サンタクルスデラシエラへむけて最低でも52便が運行されることになると発表しました。 スペインの首都・マドリッドへはブエノスアイレスのエセイサ空港から11月5日、12日、19日と26日に発ち、7日、14日、21日と28日にスペインのバラハス空港からアルゼンチンへのフライトが運行されます。 スペイン入国が許されているのは、スペイン国籍をもつ人、または欧州連合のパスポート保有しスペインに定住している人、もしくは特別な理由がある人々に限られているとアルゼンチン航空は注意を促しています。 またアメリカのマイアミへ向けては、エセイサ空港より来月11月、 2日, 4日, 6日, 9日, 11日, 13日, 16日, 18日, 20日, 23日, 25日, 27日と 30日出発し、マイアミからブエノスアイレスへ向けては2日, 4日, 6日, 8日, 11日, 13日, 15日, 18日, 20日, […]

コロナ禍のアルゼンチンにおけるインパクト

アルゼンチン統計局によると、本年度第2四半期、全国で3.757.000の雇用数がコロナ禍により失われています。 この400万近くの失業者たちの多くは自営業、そして社会保障費などの支払いを行っていない非正規雇用者であるとのデーターで、テラン通信社や国内のメディアにより報道されました。 失業者全体で最も割合が多いのが年齢層35歳以上の女性で、同年齢数の男性と比べると多くなっています。 またアルゼンチン統計局は今回記録された失業者数は、2001年から2002年にアルゼンチンで起きた経済危機から回復途上であった2004年度第2四半期マークされた最悪数値以降のものとなっていると報告しています。  

絶滅の危機にあるアルゼンチン東部に生息するインコ

アルゼンチン・リワイルディング・ファンドはアルゼンチン北東部のコリエンテス州のイベラ湿原地帯・自然保護区域でベニコンゴウインコの幼鳥3羽が孵化したと発表しました。150年前から、野性での絶滅が確定していた種です。 イベラ湿原地帯保護区域の入り口1つ、カンビレタ・ゲートで、放鳥された一対のベニコンゴウインコにより1個の卵が産卵されたのがさる5月、発見されました。それ以前、2019年には最初に放鳥された一対のベニコンゴウインコによる3個の卵の産卵が記録され、このカップルがスタディーケースとなりました。 故ダグラス・トンプキンズ氏により設立された The Conservation Land Trustより、イベラ湿原地帯にベニコンゴウインコを蘇らすことを目的とし、アルゼンチン・リワイルディング・ファンドは発足しました。 世界の淡水資源地帯として最大の面積をほこるグアラニ淡水資源地帯の一部となる、広大な面積を購入したアメリカの大資産家・故トンプキンズ設立のトラストは物議を醸す団体として捉えられています。 この問題の淡水資源地帯の広大な面積の購入は90年代、アルゼンチン中央政府、およびコリエンテス州政府の了解のもと、環境保護を名目に行われました。

未だに精算されていない多大な負債

10月12日、アルゼンチンでは ‘文化多様性の日’が祝われます。世界の歴史を塗り替えた史実、アメリカ大陸の征服から現在これまでを振り返り、もう一度考える、そんな日です。 スペインでは ‘スペインの日・ヒスパニックデー’として祝われ、スペインのアメリカ大陸到着・征服より500年以上たった現在でも、国内の36を超えるの先住民族コミュニティーの尊厳を修復し、政治・社会・経済分野への参加を成し遂げることができていないアルゼンチンでは、歴史を振り返り、考え直す日として捉えれています。 世界的な新型コロナウィルス感染症の拡大は僻地や都市部周囲地域を住居地とする先住民族コミュニティーをも直撃しました。貧困、非識字者差別や人種差別が先住民を社会の一員として認めない最も大きな障害となっています。皆を包括すると自認するアルゼンチンでもこのような状況です。 アルゼンチン国立研究機関Conicetのメンバーの科学者、マリアーノ・ナギー氏は国内の先住民族コミュニティーについて研究しています。ナギー氏の肉声でお聞きください。     ///不十分な上下水設備、住居環境や医療機関、そして非正規雇用に象徴される不安定な雇用状況など、根本的な弊害が状況の悪化を招いている。100万人を超えると見られる先住民族の末裔の人々の感染症予防と診察と治療を成し遂げるのは大変むずかしい。/// 前夜祭として、10月11日は先住民族の最後の自由の日を思い出し、数々のオンライン行事が夜通しで行われました。スペイン征服により血で塗られた先住民族の最後の自由の日。 先住民族コミュニティーに市民権の履行と最低限の権利を認めない、これらの先住民族虐殺に等しい蛮行は、善行を主張する現在の国家によりも、続いている。 キャスター:植田敬子 制作:シルバーナ・アベジャネーダ ウェブサイト:フリアン・コルテス

新型コロナウィルス感染症予防ワクチンが臨床試験第3フェーズに入ります

アルゼンチンは BioNTech社と Pfizer社の協力により新型コロナウィルス感染症予防ワクチン開発の臨床試験第3フェーズ実施のため選ばれました。 フェルナンド・ポラック博士が率いる18歳から85歳までの1万人の志願者グループが治験に臨みます。全国公募には2万人を超える人々が名乗りを上げ、最終的にその半分、1万人が選ばれました。     51歳の女性、ファニー・サンティジャンさんはその選ばれた1万人うちの1人です。ブエノスアイレス州に住む、数学の先生です。 アルゼンチンがブラジルとアメリカと共に、今回全世界で行われる治験実施地として選ばれたことは大変重要なこととサンティジャンさんは語ります。全世界で猛威を奮っている新型コロナウィルス感染症予防のため、1人の人間が公衆衛生のため身を捧げるということは本当に大事だと際立たせました。 臨床試験、承認、そして製造まで、最高で2年間のタイムリミットが設けられています。現在第3フェーズに入っており、国内ではブエノスアイレス市内のアルゼンチン軍附属病院で行われています。 日本語訳・ナレーション:植田敬子 制作:シルバーナ・アベジャネーダ ウェブサイト:フリアン・コルテス

新型コロナウィルスを含む多数のウィルスを除菌するPHMG除菌剤がアルゼンチンの科学者の手により開発されました。ブエノスアイレス市に位置するマルブラン研究所は先週より市内とブエノスアイレス州を結ぶ公共交通機関での使用を推奨しています。 匕ネス・ゴンサレス・ガルシア保健省大臣は “公共交通機関内でのウィルス蔓延を防ぐことができれば、国内移動の許可範囲も増えていくことだろう”とのべました。新型コロナウィルス感染拡大により予防対策として国内移動には厳しい規制が掛かっています。 A型・B型肝炎、HIV、インフルエンザ、ノロウィルス、アデノウイルスやロタウィルス、大腸菌、緑膿菌、黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌、マイコバクテリウム属、結核菌などのバクテリアや細菌などの除菌にも効果があると報告されています。 水で薄めても2年間効能は続行し、漂白剤と比較すると、脱色はせず、また直射日光で分離し効果が下がることもありません。

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