5月革命から210年

アルゼンチンにとって5月25日は大きな意味を持っています。バルタサール・イダルゴ・デ・シスネーロス スペイン副王が権力を握っていたラ・プラタ河流域スペイン副王制度が倒され、初めてのアルゼンチン自治政府樹立となった記念日です。5月25日までの一連の歴史的出来事は5月革命として知られています。 1810年5月25日、アルゼンチンが国家として誕生し、その独立を勝ち取ったのは6年後、1816年の7月9日のことです。 以上の理由で、この月曜日は祝日で全国でお休みとなっています。アルゼンチン国営ラジオは5月革命一色の放送を送ります。ラエ、世界に向けてアルゼンチンのリスナーの皆様もラエとアルゼンチン国営ラジオ AM放送が一本化されているので 、ストリーミングでAM放送を www.rae.com.ar でお聴きになれます。 午後2時から4時 (UTC時間17時から19時)までMCグスターボ・カンパーナさんで、インタビュー、この歴史的事実の重要性を示唆する、記憶に残るオーディオ資料や様々な社会現象をお伝えします。 また、「ラ・プラタ河を震撼させた5日間」というタイトルのラジオ・シアターも放送されます。脚本アレハンドロ・スティルマン、監督ノラ・マッシで、自宅隔離・外出禁止となっている現在、俳優陣は各自の家からデジタル・プラットフォームを通じてそれぞれのセリフを録音しました。出演したのはクラウディア・ラパコー、エクトル・カロイ、キケ・ぺソアなど、スター揃いの俳優陣で、アルゼンチンのラジオ・シアターの歴史上はじめてのバーチャル劇場となります。  

アルゼンチン中央放送管理局 ENACOMのグスターボ・ロペス代表はソーシャルネットワークWHATSAPPのグループで、通信・放送の現状やその重要性について言及しました。 ロペス代表は弁護士で、国立ブエノスアイレス大学総事務長を務め、1999年から2001年までENACOM前身の連邦放送監査委員会の監査人として任命を受けました。 ラエ、世界に向けてアルゼンチンのアドリアン・コロル代表とのインタビューで、グスターボ・ロペス代表は既存のメディアは台頭して来ているテクノロジーに滅ぼされると言われてきた ラジオ放送の存在の重さを強調しました。 ロペス代表の肉声でお聴き下さい。   https://cdn.radionacional.com.ar/wp-content/uploads/2020/05/Edit-Japones.-Lopez.-mp3.mp3     「ラジオには他のメディアにはないミステリーがある。読書に声を加えるようなものだ。例えば、思い出すのは、短波放送を通じて世界を知りたかった時、様々なラジオを聴きながら何が起こっていたのかわかったこと。素晴らしい思い出だ。」 日本語訳・ナレーション: 植田敬子 インタビュー: アドリアン・コロル ウェブサイト: フリアン・コルテス 制作: シルバーナ・アベジャネーダ

コミュニケーションアプリのwhatsapp (ワッツアップ)のグループでラエ、世界に向けてアルゼンチンのアドリアン・コロル代表は、ニコラス・トロッタ教育大臣に話しを伺いました。 新型コロナ感染症 COVID―19の感染拡大を防ぐため全国の教育機関は休校となっている現在、授業続行のためインターネットやメディアを通じ生徒たちに様々な科目のコンテンツが届けられています。広大なアルゼンチンではインターネットもラジオもテレビも無い場所もあります。色んな環境の中、教師や生徒たちは奮闘しています。 トロッタ教育大臣の肉声でお聞き下さい:   https://cdn.radionacional.com.ar/wp-content/uploads/2020/05/Edit-Trotta.-Japones.-mp3.mp3   「社会全体が取り組んでいる授業続行のための様々な課題の効果は生徒達が学校に戻ってきた時に見えてくる。教育格差が出ないと考えるのは無理なことで、パンデミック終焉の後は、全てに格差がでてくる。 どのような対応のキャパが出せるのか、社会全体、国がどれだけ早く回復できるのか、それが岐路となる。」   日本語訳・ナレーション: 植田敬子 スペイン語インタビュー: アドリアン・コロル ウェブサイト: フリアン・コルテス 制作: シルバーナ・アベジャネーダ

マウリシオ・マクリ前政権からアルベルト・フェルナンデス現政権への政権移行の真っ只中であった2019年の下半期、全国で記録された貧困層は35%から38%に増加していました。 そんな社会的危機事態の時、新型コロナ禍となりました。この状況下、社会・経済的展望は決して明るいものではありません。アルゼンチン経済の大きな分野を占める非正規雇用に与える影響は甚大です。 ラエ、世界に向けてアルゼンチンとのインタビューで、アルゼンチン・カソリック大学社会オブザーバートリー責任者のアグスティン・サルビア氏は 現在のショック状態は全国の貧困指数を悪化させるであろうと語りました。 サルビア氏の肉声でお聞き下さい:   https://cdn.radionacional.com.ar/wp-content/uploads/2020/05/Edit-Japones.-Pobreza.mp3   「今回のパンデミックはショック状態を引き起こしている。昨年の第4四半期には既に35%となっていた貧困率、今年に入ってさらに上昇し、新型コロナ禍による外出禁止令で更に増加しているであろう。物価、収入、雇用、特に非正規雇用などの指数を緻密に分析する必要があるが、貧困率は最低でも35%から38%になり、外出禁止が続くとみられる期間と以降の2、3ヶ月間で貧困率は40%台に到達するであろう。」   日本語訳・ナレーション: 植田敬子 インタビュー・制作: シルバーナ・アベジャネーダ ウェブサイト: フリアン・コルテス

1977年4月30日、ブエノスアイレス市内の5月広場に集った母親のグループがありました。ある日突然武装部隊に捕まり、忽然と行方不明になってしまった息子・娘を探す母の姿がありました。 アルゼンチンは当時 自国の歴史の中で最悪の軍事独裁政権、1年目にありました。3万人の行方不明者を出し、健康、教育、住居や雇用など多岐にわたる生活を支える社会の分野の弱脆化を引き起こし、現在までその影響が続いている多額の対外債務を残しました。 1977年のあの日の午後、広場に集まった母親達のグループの行進をやめさせるため、警察は 「ぐるぐると回れ」と命じます。恐怖心を乗り越え、国全体を覆っていた沈黙を破るため、二人づつ腕を組んでペアで広場で歩き始めました、円を描きながら。 毎週木曜日、広場をぐるぐるぐるぐる回る、円形行進は軍事独裁政権に対する勇気のレジスタンスのシンボルとして全国でも行われる様になっていきました。その中にはアスセーナ・ビジャフロールの様に恐怖政治の被害者として命を落とした母もいれば、行方を捜して再会叶わず亡くなった母もいました。 ノラ・コルティーニャと同じく今でも、平等、正義と言論の真実を失った社会の道しるべとして、何事にも代えられないプライスレスの人間の尊厳を旗印とし 人権闘争を現役で続けている母もいます。 歴史に残る1978年オランダテレビが5月広場の母達をインタビューした際の録音。当時既に「5月広場の狂った女達」として知られていた。   https://cdn.radionacional.com.ar/wp-content/uploads/2020/04/Audio-Madres-Plaza-de-Mayo-mp3-1.mp3     日本語訳・ナレーション: 植田敬子 制作: シルバーナ・アベジャネーダ ウェブサイト: フリアン・コルテス

新型コロナウィールス感染と平行して静かに進行しているもう1つの感染病があります。ヤブカ属のネッタイシマカという蚊が媒体となる感染病、デング熱病です。最悪の場合は死に至ります。 アルゼンチン媒介感染症コントロールセンターの アドリアン・ガロ代表は 現在南米南部では4年ごとに発生するデング熱病感染のピークを迎えていると語ります。 が、アルゼンチン北部やブエノスアイレス市南部の密集住居地ではデング熱病の感染患者が指数関数的に増加しましたが、2016年に記録された7万6千件数と比較すると、今回は大幅な低下が見られると指摘しています。 今回見られる感染は国の中心部、首都のブエノスアイレス市からは離れており、またマスメディアも地方のニュースより欧州のニュースに重点を置いて放送しています。 ガロ代表は 昨年12月より現在までのパラグアイでの21万3000件の感染患者数、ボリビアの7万6000件、ブラジルの73万件 と比べると、昨年の7月から現在まで記録された4万4000件という アルゼンチンの現状は 世界保健機構のリポートと照らし合わせると、他の南米諸国と比べると格段にいいものとなっていると述べています。 このことについて ブエノスアイレス市のフリアン・アトマン感染症専門医は 早期の診断と治療の重要性を際立たせます:   https://cdn.radionacional.com.ar/wp-content/uploads/2020/04/Edit-Dengue-Japones.-mp3.mp3   「重要なのは赤血球と白血球の検査で全てがわかるということ。そしてデング熱病が流行っていて、感染した人がデング熱病が流行しているブラジル、パラグアイ、またアルゼンチンのミシオネス州に滞在していたという事実が分かっている場合は 気をつけねばならない。アルゼンチンでは6月から11月までは蚊が発生する季節ではないので安心して大丈夫だ。ブラジル、ボリビア、パラグアイでは年間デング熱病は流行している」 アルゼンチン媒介感染症コントロールセンターの アドリアン・ガロ代表は現在デング熱病が猛威を振るっているのがブエノスアイレス市、ブエノスアイレス州、サンタフェ州、サルタ州、フフイ州とチャコ州、アルゼンチン北部と北西部となっていると述べています。 国立ブエノスアイレス大学の研究者グループによると、媒体の蚊が、季節に順応しており、デング熱病は季節に関係なく1年を通じて定着する病気に なっている。この熱病を防ぐには、 蚊が発生しないよう、水が溜まる場所や物を排除し、駆除剤を撒き、密集地を避けるということに気をつけなければいけない、と注意を促しています。 日本語訳・ナレーション: […]

台湾: パンデミックをどのようにして食い止めたのか

一国家として国際機関から、そして隣国の中国からも認められていない台湾は新型コロナウィールス感染拡大を阻止することを実現しました。 既に4月16日には3日間連続で新たな感染患者0というマークを記録していました。 昨年12月以降、台湾は国境閉鎖を行い、外出を規制し、公衆の場でのマスク着用、社会的距離が遵守され、大人数の集会は自粛され、大規模な検査が行われました。 と同時に台湾政府は社会的隔離により発生した経済的損失を補うため多額に公的融資・資金を投入しました。 ラエ世界に向けてアルゼンチンの台湾国際ラジオ RTIのジャーナリスト そして同放送局スペイン語担当、アンドレア・ワン氏とのインタビューの抜粋お聞き下さい: https://cdn.radionacional.com.ar/wp-content/uploads/2020/04/Edit-Taiwan-Japones.-mp3.mp3   「台湾で最初の感染患者が確認されて3ヶ月が経ちました。そのどれもが国外で感染し帰国した人々でした。台湾は中国本土との地理的距離が大変近いこと、そして日々の海峡通過の交通関係で、最も早い時期から感染の影響を受けました。 政府当局の対応は迅速で、直ちに緊急事態委員会が構成され、毎日午後2時には正確なデイリーリポートが発表されています。今までのところ感染患者は僅か395人、中でも市中感染件数は55件に留まっています。 4月16日には 新たな感染患者数0 を記録しました。嬉しいニュースです。」 日本訳・ナレーション: 植田敬子 スペイン語インタビュー・制作: シルバーナ・アベジャネーダ ウェブサイト: フリアン・コルテス   4月16日台湾は3日連続で新たな感染患者数0を達成しました。その時点での患者数は累積395人 (340件が国外感染で55件が市中感染)、6人が死亡となっています。全世界ではトータル230万件以上の感染件数が報告されています。  

そしてこの危機から抜け出すために社会の底力に賭けます

社会開発省はアルゼンチンの保健、衛生、及び社会危機に直面している現在、最前線で苦しんでる人々救済のため尽力しています。 すでに2019年12月の時点で 全国の非正規雇用率は40%に達していました。 新型コロナウィールスCOVID-19の出現とその感染拡大により宣言された社会的隔離・外出禁止は非正規雇用の事態を悪化させ、貧困層の人々の多数が極貧困層に陥る構造を作り上げてしまいました。 ダニエル・アロージョ 社会開発大臣は ラエ世界に向けてアルゼンチンのインタビューに応え、アルゼンチンが直面する社会状況を支えて行くため取られた緊急対策について語りました。 https://cdn.radionacional.com.ar/wp-content/uploads/2020/04/Edit-Arroyo-Japones.-mp3.mp3     全国の200万人の低所得層に政府が支給する食料品購買カードの使用可能額の上限アップ、失業し、食料不足を訴える人々の声に応えて無料で食事が出来るコミュニティー食堂の拡大などが挙げられました。 そしてパンデミアの後は 、社会の底上げと各自治体による発展を銀行融資に頼らず行うことが アルゼンチン社会の大半が生活の糧を得ている 非正規雇用労働の新たな価値を高めて行くことが課題となる、とアロージョ大臣は際立たせました。 アロージョ大臣の肉声でお聞き下さい   「社会保障政策をとるにあたって、必要とされるのは 危機の後は時間をかけて回復するということで、その後、次の日事態が急変するということでは無い。そのため3大柱がある。 第1に各自治体の発展、ローカル経済の活性化。アルゼンチン全体の発展はローカル経済の発展による。外出禁止が段階的に解禁となったあかつきにはどの産業をどのように活性化させるかということを明確にしなければならない。 第2は銀行融資に頼らない融資。これはパンデミア宣言以前より機器・機械分野で実施されている。第3は 非正規雇用労働を正規雇用労働に融合させて行くこと。例えば個人事業主と中小企業をマッチングして行くように。 多様な生産プロセスをうまく繋ぎ合わせていく時期をアルゼンチンは迎えていると思う。非正規雇用の労働者が一人で孤独に出来ることをするというのではなく、生産プロセスの枠組みにフィットするということだ。 そういう意味で外出禁止・隔離解禁は社会的・経済的側面に密接している。底から社会を変革するものだ。」 日本語訳・ナレーション: […]

メードインホーム ラエ−COVID19

先住民族コミュニティー: パンデミックと立ち向かう   新型コロナウィールスの感染が引き起こした衛生・社会危機、外出禁止など感染拡大を防ぐために中央政府や地方政府が打ち出した政策は、アルゼンチン全国の36に及ぶ先住民族コミュニティの現状にどんな影響を与えたのか? アルゼンチンに新型コロナが確認される前、2月までは、アルゼンチン北部の先住民族コミュニティでの貧困と栄養失調のよる乳幼児の死亡のニュースがメディアで大きく取り上げられていました。 先住民族の末裔の多くは都市部で生活していますが、上下水設備が不十分で都市部から遠く離れている僻地に先住民族コミュニティは細々とではありますが存在しています。植民地化のプロセスの終了後それぞれの地方政府が該当する先住民族コミュニティに譲渡した土地です。   https://cdn.radionacional.com.ar/wp-content/uploads/2020/04/Edit.-Japones.-Originarios.-mp3.mp3    

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