ラエ、世界に向けてアルゼンチン

“背番号10”を想う歌

アルゼンチンではサッカーは通常の情熱を超えるパッションを呼び起こすことは皆様もう御存知かと思います。大衆音楽は先日亡くなったディエゴ・アルマンド・マラドーナさんに数多くの曲を捧げました。
現世の神様として崇められていたマラドーナさんは最高峰を極めると同時に地獄の底を這いずり回り、ある意味でアルゼンチンの現状を体現しているといえましょう:矛盾に溢れ、傲慢で、ときに英雄的でそして愛国心、一国に属するということを全身で訴え続けた人生でした。サッカーの神様という点だけ、反対派も賛成派も一つに纏まりました。

ディエゴ・アルマンド・マラドーナさんに捧げられた全ての曲から今日ご紹介するのは、次の3曲です:
1. 私のハートに喜びを (アーティスト:フィト・パエス)アルゼンチンがサッカー・ワールドカップ2度目の優勝をきめた1986年のメキシコ大会で、対イングランド戦でマラドーナさんが放った2点目のゴール・シュートの美しさを讃えて作られた別名・アルゼンチンサッカー讃歌と言われています。当時アルゼンチンは物価急上昇・ハイパーインフレの状況から抜け出そうともがいていた時で、たったその1年前、70年代から80年代初頭まで続いていた軍事政権下犯された人類虐殺犯罪の裁判が行われたばかりでした。

2. マラドーナ (アーティスト:アンドレス・カラマロ)アルゼンチンロックを代表するアーティストのカラマロさんは世界のサッカースーパースター、ディエゴ・アルマンド・マラドーナさんの素晴らしさを歌った曲です。”マラドーナは只者ではない”( “Maradona no es una persona cualquiera….” )という一節に要約されます。

3. 神様のハンド (アーティスト:ロドリーゴ)アルゼンチン中央部に位置するコルドバ州独自のミュージックジャンル、クアルテトのリズムで、マラドーナ自身が一番自分に合っているといった曲です。彼の生い立ちを語る曲で、2006年でテレビで放送された、マラドーナさんの番組 “背番号10の夜” (La Noche del Diez)で自身がマイクを握り熱唱した曲です。

制作:シルバーナ・アベジャネ ー フリアン・コルテス